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スタッフの髙木です!

最近の強風で来週には全てのサクラの花が散ってしまいそうなので、ブログのネタにさせていただきます。

皆さんはお花見できましたでしょうか?

私は家族と先週の土曜日に村松公園へ出かけて来ました。翌日の日曜日はかなりの強風だったので天気の良い日に観に行けてラッキーでした。

仕事でも枝おろしや樹勢回復など桜に関わる機会が多かったように思います。

村松公園で見たものと仕事で関わったサクラはどれも「ソメイヨシノ」でした。

なぜソメイヨシノがこんなにも多くあるのか?ソメイヨシノではないサクラはどのくらいあるのか?そもそもソメイヨシノとは何なのか?色々と気になったので調べてみました。

ソメイヨシノとは

ソメイヨシノはエドヒガン×オオシマザクラの交雑種。

 

エドヒガンは葉が出る前に濃いピンクの花を咲かせ樹高も花見をしやすい高さで花が小ぶり

オオシマザクラは樹高が高くなり葉が出るのと同時に白く大ぶりの花を咲かせる

ソメイヨシノは葉が出る前に華やかな淡いピンクの花を咲かせ花見をしやすい枝ぶりで成長が早く育てやすいという親の良い点を受け継いだ品種

会社の近くに咲いていたサクラ

会社の近くに咲いていた白いサクラ

なぜ数あるサクラからソメイヨシノが選ばれたのか

野生種が10数種・栽培品種を含めると600を超える種類のサクラの中からなぜソメイヨシノが選ばれたのでしょうか?

理由は上述のように成長が早く新芽が出る前に花が密集して木を埋め尽くすように咲くため華やかで見応えがあり、花見に適しているからだそうです。

明治時代以降から記念や復興事業などで全国に大量に植栽され現在のように至る所で見られるようになりました。

また、全てのソメイヨシノがクローンのため気象条件が同じ地域だとほぼ同じタイミングで一帯の花が開花します。

なぜクローンで増やされているのか

サクラは「自家不和合性」という近親交配が進まないようにする性質があるためソメイヨシノ×ソメイヨシノでは種が取れないので接木や挿木で増やされるそうです。

また、同じ親のエドヒガン×オオシマザクラの掛け合わせでも花が大きくなりすぎるなど同じように交雑しても、もう一度生み出すのはほぼ不可能だそうです。

ただ、ソメイヨシノ×他のサクラの掛け合わせで種ができるので今では日本からアメリカへ贈ったソメイヨシノが他のサクラと交雑してアケボノというサクラが誕生し、そのアケボノが日本へ送られて接木で増やしたところ一本だけ異なる特徴の花を咲かせるサクラがあり、そのサクラが今後ソメイヨシノに変わるジンダイアケボノと呼ばれる品種として誕生したそうです。

自然の交雑でソメイヨシノやジンダイアケボノよりも美しいサクラがどこかでひっそりと花を咲かせている可能性がある事を考えるととてもワクワクしますしとてもロマンがある植物だと思いました。

クローンは見た目や性質が全く同じなので美しい植物を簡単にコピーできるところは良いですが、遺伝子的に全く同じため病気や適応できない環境変化などの要因によっては簡単に全滅してしまう可能性があります。

これに加えて老化・気温の上昇による開花の不順などの問題が出てきており、ソメイヨシノに代わる鑑賞性の高いジンダイアケボノやその他のサクラへの植え替えが進んでいるようです。

ソメイヨシノは平均寿命が60〜80年程ということなのでこのまま植え替えで他の種類が使われていくとソメイヨシノが見られなくなる日が来るかもしれません。

ソメイヨシノに変わる品種は強健さと美しさを併せ持ったサクラだと思うので、そんな桜が一斉に咲いた風景もとても楽しみですが、今まで見慣れてきたサクラがいなくなるのも寂しいので、あと何年見られるか分かりませんが、儚くも美しいソメイヨシノの桜花爛漫を目に焼き付けていきたいです。

長くなってしまったので今月の植物紹介はお休みです。

最後までご覧いただきありがとうございました🌸